家族や大切な方の葬儀を行う場合、どのような葬儀社を選ぶとよいのでしょうか。
できれば、予算内におさまり、自分たちの希望がかなう葬儀社にお願いしたいですよね。
ここでは、葬儀社の種類や探し方、依頼するタイミングについてご紹介します。
葬儀社の種類
最初に、葬儀社の種類やタイプについて確認をしておきましょう。
葬儀社は許可制ではない
葬儀を執り行うには特別な資格の必要がなく、国や地方公共団体等への届出も不要です。
そのため、誰でも、いつからでも、「葬儀社」や「葬祭業者」を名乗って営業ができてしまいます。
それゆえその数は把握しづらく、多種多様のサービスや費用が乱立しているのが現状です。
信頼のできる葬儀社で、遺族の希望に合った葬儀を執り行うためには、たくさんの葬儀業者の中から見つけ出さねばなりません。
葬儀社は大きく分けて3種類
葬儀社は、
葬儀のコーディネートを専門に行う「葬儀専門の葬儀社」
毎月の積立金をもとに葬儀を行う「冠婚葬祭互助会」
「JAや生協などの組合事業」
に分類されます。また、このほかにも、葬儀だけではなく冠婚葬祭全般を扱う業者や、ホテルなどの異業種が葬儀を行うケース、墓地や仏壇、生花、ギフト業などの葬儀関連業者なども参入しています。
各葬儀社の特徴とメリット・デメリット
専門の葬儀社
専門の葬儀社には、自社で斎場を抱える葬儀社と、斎場を借りて葬儀を行う業者があります。
首都圏では、斎場を借りる業者が多く、寺院斎場や公営ホールを利用しています。
葬儀専門ということもあり、ノウハウや実績が豊富で、細かなオーダーにも対応してもらえます。
また、地域密着型の葬儀社は、地元の事情に精通しているので、安心して任せられるといえます。
葬儀社の中では最も数が多く競争が激しいため、料金や多種多様のセットプラン、サービスなどで、各社の特徴を打ち出しています。
互助会
互助会は、会員が毎月一定の金額を積み立てて、その積立金から葬儀の費用に充当するシステムです。
家族が急逝した場合の急な出費に備えることができ、割引価格で葬儀を行えるなど、さまざまな会員特典を得られるメリットがあります。
一方で、利用できるプランが限られていることが多く、積み立てた金額で葬儀費用のすべてをまかなえない場合もあるようです。
また、途中で解約する場合は、今まで積み立てた全額ではなく、解約手数料を差し引かれた金額が返還されます。
ほかには、互助会が破綻するという懸念もあります。
「割賦販売法」の適応により積立金の1/2は保証されますが、半額のみの返金となってしまいます。
JAや生協など組合事業
JAや生協の葬儀は、原則それぞれの組合員のために提供しているサービスです。
組合員の特典として、割安価格で葬儀を行うことが可能です。
特にJA葬祭は、設備が充実した斎場を全国で利用でき、JAバンクとも連携しているので、農協に加入していれば急な出費にも対応してくれます。
一方で、希望したプランがない場合もあります。組合員でなくても、葬儀依頼のタイミングで会員になると利用できるようです。
葬儀社の探し方とは
葬儀社を探すといってもはじめての場合、どのような判断基準で探せばよいか分からないのではないでしょうか。
葬儀社を探す方法には、以下のような手段があります。
病院からの紹介
近年は多くの方が病院で亡くなるため、多くの病院が葬儀社と提携しており、希望があれば紹介してくれます。
大切な方が急逝し、葬儀社を選んでいる心の余裕がない場合などに向いています。
知人に紹介してもらう
利用したことがある身近な方から、紹介いただく方法もあります。
使った感想や良い点、悪い点などをすべて聞くとができ、ご紹介特典などを得られる場合もあります。
よくない印象の葬儀社を紹介するという事は考えにくいので、紹介された葬儀社は信頼できる事が多いと思います。
新聞やチラシなどの広告を調べる
事前に時間のある場合などは、新聞やチラシ、地元の広報誌、タウンページなどに出ている広告を見て、複数の葬儀社と比較して選ぶこともできます。
インターネットの評判などから選ぶ
インターネット検索は、数多くの商品やサービスを比較でき、利用者の口コミも確認できるメリットはあります。
しかし、その分どの葬儀社にすればよいかと迷ってしまいます。
葬儀社探しで重要なのは、時間をかけて複数の会社を比較し、じっくりと検討することです。そのためにも、日頃から希望に合う葬儀社を探しておくことをおすすめします。
葬儀社を探すタイミング
葬儀社を探すタイミングに正解も決まりもありませんが、できればあらかじめ複数社に相談したり資料請求をして内容を確認しておくことが理想です。
資料が手元にあると、いざという時に葬儀社の名前を思い出せ、急な逝去の時に慌てて探すという事がなく済みます。
病院で急逝したとき
病状の急変や不慮の事故などにより、前触れもなく亡くなった場合は、臨終後すぐに葬儀社を決めなくてはなりません。
心身共に苦しい中で、葬儀の段取りを進めるのは辛いですが、病院には長く安置できないため、早急に選ばなくてはなりません。
病院から紹介がある場合もありますが、慌ただしい中で即時の決断を避けるためにも、自宅への遺体搬送のみを葬儀社に依頼し、自宅で落ち着いて選ぶのもよいでしょう。
しかし、その場合は通常葬儀プランとはセットになるはずの搬送料を支払うことになってしまいます。
それでもご希望の葬儀を行うためには、遺体安置後にじっくりと葬儀社を選ぶことがお勧めではありますが、事前に資料請求などを行い葬儀社を選んでおくと安心です。
死因が明らかでない場合
自宅などで亡くなって死因が明らかでない場合は、警察に連絡して検視を行い、「死体検案書」を受け取ることになります。
検視には数日かかることもあるため、その間に葬儀社を選ぶこともできます。
余命宣告をされたとき
自分や家族が余命宣告をされたら、葬儀社選びを進めておいた方がよいでしょう。
自分が余命宣告を受けたなら、元気なうちに生前予約や事前相談をしておくことをおすすめします。
自分や家族の希望に合った葬儀を、時間をかけて選ぶことができ、事前に費用を支払いなども確認しておくと、家族の心理的・経済的な負担も軽減できます。
「事前割」など、割引を受けることができる葬儀プランもありますので相談してみましょう。
まとめ
葬儀は経験回数が少ない分、その種類や葬儀社を選ぶタイミングなど、ご存じない方も多いはずです。
納得のいく葬儀をするためには、日頃から複数社を比較検討しておき、理想の葬儀社と相談を進めておくことをおすすめします。