港区または他の地域でも、故人や喪主がそのエリアの住民の場合、市民葬や区民葬を利用できます。
一般の葬儀よりも、費用を抑えることができるのが魅力の市民葬・区民葬ですが、その内容や申し込み方法をご存じない方も多いのではないでしょうか。
ここでは、港区の区民葬を例にご紹介します。
市民葬・区民葬とは?
市民葬・区民葬とは、どのような葬儀なのでしょうか。
市民葬・区民葬の特徴
市民葬・区民葬とは、自治体がその住民に対して行うサービスの一環です。
葬儀社と提携することで、費用を抑えた葬儀プランを住民に提供することができます。
原則、葬儀社が行いますが、一部自治体が葬儀を執行することもあります。葬儀の流れは、一般とほとんど変わりません。
自治体によって料金は異なりますが、負担を少しでも軽減したい場合は、市民葬・区民葬の利用を検討するのもよいでしょう。
市民葬・区民葬の利用条件
利用できるのは、該当する自治体に、「故人が住んでいた」または、「喪主や親族が住んでいる」ことで、利用が可能です。所得などによる制限はありません。
市民葬・区民葬の申し込み方法
市役所・区役所に申し込む場合
人が亡くなった場合は、7日以内に役所に死亡届を出し、埋葬許可証を受け取りますが、そのときに葬儀の申し込みを行います。
申し込みが受理されると、その市区町村が提携している葬儀社の中から、葬儀プランを選ぶことになります。
葬儀社に直接依頼する場合
自治体が提携している葬儀社であれば、直接申し込む場合もあります。
自治体のホームページなどでも、提携している葬儀社の情報公開をしているので、内容を比較して、希望する葬儀社・プランを決めましょう。
東京23区は「区民葬儀券」をもらう
港区を含む東京23区で区民葬儀を挙げる場合は、特別な手続きが必要となります。手続きの流れは、下記のようになります。
区民葬儀を扱っている葬儀社に、区民葬儀を申し込む
役所に死亡届提出時に、窓口で「区民葬儀券」をもらう
申し込んだ葬儀社に、「区民葬儀券」を渡す
こうした手続きをふむことで、区民料金が適用された葬儀を行うことができます。
区民葬儀券は、金額によって異なる4つの区民葬プランから選ぶことができ、「A1券」「A2券」「B券」「C券」に分類されます。
[ 祭壇+普通サイズの棺 ]
区分 | 料金 |
---|---|
A1券(金らん5段飾)桐張棺 | 283,800円 |
A1券(金らん4段飾)桐張棺 | 236,000円 |
B券(白布3段飾)プリント棺 | 124,000円 |
C券(白布2段飾)プリント棺 | 91,000円 |
[ 祭壇+長尺サイズ(170cm以上)の棺 ]
区分 | 料金 |
---|---|
A1券(金らん5段飾)桐張棺 | 295,800円 |
A1券(金らん4段飾)桐張棺 | 248,000円 |
B券(白布3段飾)桐張棺 | 156,000円 |
C券(白布2段飾)桐張棺 | 123,000円 |
市民葬・区民葬のメリット・デメリット
次に、市民葬・区民葬のメリット・デメリットについて説明します。
市民葬・区民葬のメリット
市民葬・区民葬の最大のメリットは、葬儀費用を抑えられることです。
東京23区の場合は、すべての区で区民葬をあげることができ、ランクはあるものの、「祭壇」「霊柩車」「火葬料」「骨壺」について、区民費用が適用されます。
【祭壇+棺の料金】
前述のように、A1、A2、B、Cの4ランクに分かれます。
[ 祭壇無し棺のみの場合 ]
区分 | 料金 |
---|---|
桐張棺(長尺棺) | 72,000円 |
桐張棺 | 60,000円 |
プリント棺 | 40,000円 |
[ 霊柩車運送料金 ]
10kmまで | 20kmまで | 30kmまで | |
---|---|---|---|
宮型指定車 | 30,250円 | 30,250円 | 41,250円 |
普通霊柩車 | 14,160円 | 17,760円 | 21,360円 |
[ 火葬料金 ]
対象 | 料金(非課税) |
---|---|
大人 | 53,100円 |
小人(満6歳以下) | 29,000円 |
[ 遺骨収納容器(骨壺)代 ]
対象 | 料金(非課税) |
---|---|
3号一式(大人用) | 9,800円 |
6号一式(小人用) | 2,300円 |
市民葬・区民葬のデメリット
簡素で質素な葬儀
市民葬・区民葬は価格が抑えられているため、どうしても簡素で質素な、必要最低限の葬儀になってしまいます。
自治体によっては、通夜ふるまいなどのおもてなしや、返礼品などを禁じているところもあるようです。また、自治体と提携している葬儀社で行うので、希望に沿わない場合もあります。
追加費用で高くなってしまうことも
市民葬・区民葬には、「祭壇」「霊柩車」「火葬料」「骨壺」の料金は含まれますが、ドライアイスや会葬礼状・返礼品、移動用のマイクロバスなどは含まれません。
これらを追加で依頼すると、かえって高くなってしまう場合もあります。多くの葬儀社がお得な商品を用意しているので、きちんと比較することが重要です。
港区で区民葬儀をあげるには?
港区民が区民葬儀をあげる場合は、23区内の「区民葬儀取扱店」で行うことができます。故人ないしは親族が23区内に住んでいれば利用ができます。区民葬儀取扱店に直接申し込み、死亡届提出時に下記窓口で「区民葬儀券」をもらい、その券を申し込んだ葬儀取扱店に渡します。
【区民葬儀券配布窓口】
各総合支所区民課窓口サービス係(芝地区総合所のみ区民課戸籍係で配布)
※夜間受付(区役所1階、夜間、休日のみ)
まとめ
市民葬・区民葬は、葬儀費用を抑えられることがメリットですが、限られた葬儀しかあげることができず、追加費用を重ねると、かえって割高になる場合もあります。葬儀社はさまざまなセットプランを用意しているので、「区民葬儀取扱店」でも、さらにお得なプランを提案される場合もあります。予算を打ち明けることで、よりよい葬儀をあげることも可能になります。葬儀社には、積極的に相談してみましょう。